甲子園での夏の高校野球。熱中症で死人が出てからでは手遅れだ
「夏の甲子園」は選手、観客のことを考えて、時間を変えてやるべき(古い慣習に縛られるべきではない)だと思う。
第95回全国高校野球選手権大会第3日(10日、甲子園)厳しい暑さに見舞われた甲子園球場は、午後3時に観測したデータで、一塁側アルプススタンド最上段で34・8度に達した。救護本部によると、21人が熱中症の症状を訴え、救護室で手当てを受けた。引用サンスポより
高知県四万十市で気温41度と国内観測史上の最高気温を更新するほどの暑さ。
とにかく今年の夏は暑い。
地元名古屋でも最高気温37度はかなりの頻度。
夜も25度を超す熱帯夜で昼間は体温をこえる37度。朝から晩までエアコンなしでは過ごせない毎日だ。
子供のころ真夏といっても32度ぐらいが普通で、無茶苦茶に暑くても34度ぐらいがピークであった記憶。
地球温暖化が原因なのか、それともエアコンの排熱が原因か、明らかに夏が暑くなったことを実感する。
ソレはソレとして、「熱中症には十分に注意してください」とテレビで口うるさく言ってるわりに、高校野球の甲子園大会って真夏の一番暑い盛りの、それも一番電力需給の厳しいお昼の時間帯に頑張っちゃうのか?
ましてや原発依存の割合が高く、電気が「足りないかも」「ピンチかも」って言われる関西電力管内に甲子園はある。
スタンドで観たいと願う熱心な甲子園ファンも少なくないが、それでも大半の国民がエアコン効かして室内でのテレビ観戦が普通。節電とは実に矛盾している。
そもそも「危険とも思える暑さ」の中でプレーをする選手が気の毒。
遠路はるばる母校のためにとスタンドで必死に応援する生徒達には地獄だし、熱中症のリスクと接する観客にも大迷惑な話だ。
せめてドーム球場でやるとか早朝かナイター開催にでもすれば良いのに。
いっそ、地方大会も甲子園での本大会も秋に変更する決断も必要ではないか。
雷や雨での試合中止と同様に、分かりやすいところで気温が35度以上になったら試合を中止する「35度ルール」ぐらいは作るべきだ。
この危険とも思えるほどの最高気温、部活動中における熱中症事故も少なくない。実際、不幸にも亡くなってしまうような事故も起きている。
もう一度、真夏の甲子園大会に戻ろう。
記録的な猛暑である今夏、熱戦が続く甲子園でも熱中症が倍増。
大会本部によれば、今大会中に甲子園の救護室で熱中症などの症状で手当てを受けた観客は6日間ですでに181人にも。中には病院に搬送された人までいる。
まともに日射しの直撃を受けるグランドはまさしく暑さ地獄。
万が一にも高校野球の決勝戦で、マウンドに立つ真っ黒に日焼けしたピッチャーが突然に熱中症で倒れるような事故が起きたら・・・
決勝戦といえば、仕事の手を休めて食い入るようにNHKの野球中継をみているという人も多い。
国民が試合の流れを注視する一戦でそんな光景は見たくない。
汗と涙と感動に美談化された高校野球夏の甲子園、そろそろ根性野球からの脱却が必要な気がする。
死人が出てからでは手遅れだ。
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コメント
> 管理人様
ここ数日、お檀家さんのご自宅を回りながら、何度かこの話題になりました。選手は勿論、応援する方も大変だ、という話なのですが、本当に、事故が起きてからでは遅いので、対応策の検討をお願いしたいところですね。
投稿: tenjin95 | 2013年8月17日 (土) 05時47分
tenjinさん、おはようございます。
室内にいても熱中症で命を落とされる昨今、高温の中、太陽直撃のグランドで試合をするなんて正気の沙汰とは思えませんよね。最悪、tenjinさんらの出番にもつながる可能性も捨てきれませんし。35度超したら中止とか客観的なルールでも作ればと思ってしまいます。
投稿: バッキー | 2013年8月17日 (土) 06時55分
夏に全国大会が行われるのは野球だけではありません。高校スポーツであればインターハイなど、他のスポーツにも同じことがいえるのではないでしょうか。
確かに熱中症の問題は心配しているのですが、高校野球「だけ」をやり玉にあげるのはいかがなものかと存じます。テレビで中継されているから目につくのでしょうけれど。
学校という枠組みでスポーツ大会を行っている以上、長期休暇以外の期間で全国大会を行うことは、学業に差し支えることになりますから難しいです。
おっしゃるように気温を考慮して試合開催の是非を検討するとか、昼の一番暑い時間帯を避けて開催する、という方法はありかもしれませんね。
ちなみに甲子園のベンチではエアコンが効いているそうで、本大会よりもむしろ地方大会のほうが危険性が高い、と言われているようです。選手の鍛え方のレベルに差がありますからね。
投稿: 虎哲 | 2013年8月17日 (土) 18時52分
長文すみません。私は高校野球が大好きなものでね。
昔よりも気候が暑くなってきていることを考えると、私も今までとは違ったやり方を考える時期に来ているのかな、とは思います。
今年から初めて本大会に休養日が設けられました。保守的な高野連ですが、それなりに変わってきている部分もある。
大会期間や開催地の変更といったレベルだと、大きな話になりすぎて現実的に難しくなります。
延長戦でのタイブレークの導入とか、投手の球数制限とか、運用で選手の負担を軽減できることはいくらでもあります。まずそういったところで考えていくほうがいいと私は思います。
それから、熱中症の危険が高いのは大会よりもむしろ練習です。どういう練習をやっているかにこそ、関係者はむしろ目配りをする必要があります。
投稿: 虎哲 | 2013年8月17日 (土) 19時11分
虎哲さん、こんばんは。
参考になるコメントありがとうございました。まずもって、確かに高校野球だけを危険視することについては目からウロコが落ちました。やはり連日のテレビ中継もあって目につくのが原因でしょうか。
野球に限らず、運動系の競技は真夏でも試合や練習を続けている訳ですから、虎哲さんのご意見はごもっともだと思います。
実際に危険なのは試合の方だとされるご意見にも納得です。観客も少なく救護班の体制も不安な地方予選の方が、熱中症のリスクは高いですよね。言われてみて「そうだ」と納得いたしました。
甲子園のベンチには冷房があるんですね。知りませんでした。守備につくのがイヤになりそうですね。
NHKをはじめテレビ各局がしつこく、熱中症にはくれぐれも注意してくださいと伝えていますが、万が一にも甲子園で事故が起きたとしたら、手のひら返したように高野連を叩きに回りそうな感じがします。
投稿: バッキー | 2013年8月18日 (日) 23時55分